「風の集い」を体験して、覚悟を決める

「いい本があるよ」
7年前に夫が私に本を手渡してくれました。
そこには「異端力」町田宗鳳著と書かれていました。
その中身はとても興味深く、当時の私を勇気づけるものでした。
結婚前の私は、アートのためなら命がけでしたから、
グランドキャニオンの岩の上で踊ることも、
600畳分の和紙を海岸に広げ般若心境をドローイングすることも、
河川敷で巨大なスパイラルアートを即興することも、
「どうしてもやりたい」気持ちで行ってきました。
そんな私を東京藝術大学の名誉教授たちは
(三木成夫、野口三千三、工藤甲人)温かい目で見守ってくださり、
また高い評価をしてくださいました。
しかし、出産後は自分の活動資料を段ボールに入れて封印しました。
なぜなら、子育てを中心とした家庭生活を成り立たせるために、
世の中の普通、目立たないことに身を置くことが必要だったからです。
今考えると息を潜める時間が病気をつくったのでしょう。手術したこともありました。
そんな時、「異端力」を読み、宗鳳さんが主宰する「風の集い」に参加したのです。
宗鳳さんはとても気さくな方で宗教宗派にとらわれない「結びの思想」を考えれおられて、
自身が異端児でした。私は宗鳳さんの考案された「ありがとう禅」を体験するごとに
気持ちの整理がつき、硬くなっていた心が解放されていきました。
今年の夏「早川さんの描いた龍が見たい。そこで風の集いをやろう」という一声で
10月14日に私のアトリエで開催することになりました。
宗鳳さんは孫悟空のように世界中を飛び回っているので、
埼玉県北本市にビューンと来てくださいました。
参加者は福島、群馬、埼玉、東京から、総勢33人となりました。
アトリエに皆さんのエネルギーが満たされました。
今から24年前、「みんなが集まるコミュニケーションの場を作りたい」と
必死で和紙を編んで作った巨大な作品が「遊動天都」(埼玉近代美術館1993年展示)でした。
やっぱり私はこのことがしたいんだ!
これからは私の住むこの場所、この地を「遊動天都」にしていきます。